M&A成功事例 SUCCESS CASE

譲受笑顔の絶えない薬局を目指して

株式会社Ookini
代表取締役・薬剤師・医業経営コンサルタント協会会員・医療経営士 宮島 徹さん

北陸大学薬学部卒業
卒後、2017年の会社設立まで3社で薬剤業務、
薬局経営ノウハウを学ぶ。
2017年 株式会社Ookini設立

御社の経営理念について教えてください。

「笑いの絶えない薬局」です。
薬局は薬を扱う仕事なので緊張感を持って仕事をしないといけませんが、職場の空気が張り詰めていると、どうしてもついてこれない人が出てきます。仕事をするうえで人間関係はとても大事だと思うので、採用するスタッフは人当たりが良く、輪を乱さないような人を選ぶように心掛けています。
スタッフには常に感謝の気持ちを持って働いてもらいたいと思っています。日々感謝の心を忘れず、挨拶を大切にできる職場にしたいです。

起業されたきっかけについて教えてください。

私は難病を患っていて、幼少期に何度も長期入院したことがありました。常に死と隣り合わせだったこともあり「後悔のない人生を歩みたい」と思っていました。極端な言い方ですが、日本は起業に失敗しても自己破産してもやり直しがききます。そういう環境があるのならば、起業に挑戦してみたいという気持ちをずっと持っていました。
「やらずに後悔するより、やって後悔したい」常にそう思っています。

今回譲受されてから技術料を約3倍伸ばされたと聞きました。売り上げを大きく伸ばされた秘訣は何ですか?

2017年の会社設立から約6年で、現在は7店舗を運営しています。うち5店舗は新規開局、2店舗はM&Aで承継しました。設立当時は技術料が月平均120万円くらいでしたが、今は400万円まで伸びてきています。今後、後発医療品調剤体制加算と地域支援体制加算を取得できると450万円くらいまで伸ばせると思います。

売上を伸ばした主な理由は、在宅の活用です。調剤薬局は基本的に、門前のドクターが亡くなり後継者がいなければ、閉局するしかありません。そうならないために、事業の柱を何本か作っておきたいという考えがあったので、在宅をスタートさせました。それ以外にもEC(電子商取引)の活用などさまざまなアイデアを駆使して、今後さらに事業の柱を増やしていきたいと考えています。

今回、M&Aを進める中で不安はありましたか?

薬局を承継したからには売り上げをプラスに乗せないといけないというプレッシャーがありました。従業員からも「社長だったらできるでしょ」と言われていた手前、失敗してしまうと従業員の期待を裏切ってしまうと思い、しっかり売り上げをプラスにして、従業員に背中を見せてやりたいと思っていました。

M&Aを通して感じられた、仲介会社を使うメリット・デメリットはどんなことですか?

メリットに関しては、何か問題があったときには仲介会社を通して先方へ伝えることができるので、直接だと言いにくいこともきちんと伝えることができるということです。デメリットに関しては完全にお金だけです。仲介会社を通さなければ、仲介手数料は発生しません。
簡単に言えば保険みたいなものですね。仲介会社を使うことで安心感を得られるということです。

貴社でされている新しい取り組みなどがあれば教えてください。

在宅に同行してもらう薬剤師さんには、ドクターからの質問にすぐ回答できるよう「想定問題100問」というものを作成し、100点満点を取れるまでは同行させないという取り組みをしています。ドクターに信頼してもらうためには、ドクターからの質問にすぐ答える“ 瞬発力” が非常に大事だと考えています。現場に出たら現場で必要な知識があると思うので、それをしっかり養ってもらうよう指導しています。

これからM&Aを検討する方にメッセージお願いします。

薬剤師の方は、なぜか独立して薬局を開局したら儲かると思っている方がとても多いです。甘く考えない方が良いと思います。私自身、事業がすぐに軌道に乗ったわけではありません。当初、役員報酬をほとんど受け取らず、寝ずに死にもの狂いで働きました。M&Aを検討するのであれば、しっかり覚悟を持って取り組んだ方が良いと思います。

最後に、どんな薬剤師を求めているか教えてください。

世の中、平均を求めている人がとても多いです。そうではなく「自身の成長のためにも死ぬ気で働きたい」という気持ちを持っている人のほうが魅力的です。働いたら働いた分だけ稼ぐことができますし、知識にもなりますし、技術も磨かれます。そういう意気込みのある薬剤師さんを大募集しています。

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