企業価値の算定方法・調剤薬局経営者対象セミナーのご案内
まず第1回は【 企業価値の算出方法 】です。
調剤薬局M&Aの仕事をしていて、全国の様々な薬局様にお伺いさせていただいております。
もちろん今すぐに売却を考えている薬局様の数そう多くはありませんが、
皆様とお会いしてお話を聞いておりますと、
「 自社の企業価値が現在いくらになるのかは知りたい 」という薬局様は少なくありません。
顧問税理士・会計士にお願いすれば算出できますが、
なかなか言いにくい関係性もあるのかな…と思いますので、
簡単な企業価値の算出方法と考え方を掲載しますのでご参考程度にご確認くださいませ。
まず、考え方としましては、
企業価値の評価方法として一般的に3つあります。
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【1】 コストアプローチ(時価純資産額を基準にする方法)
【2】 インカムアプローチ(将来の収益性を基準にする方法)
【3】 マーケットアプローチ(類似会社、類似取引の事例を基準にする方法)
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中小企業のM&Aにおいては、「 時価純資産+営業権 」という考え方を用います。
「時価純資産+営業権」という考え方は上記3つのアプローチをミックスした手法になります。
まず、「時価純資産」とは、すべての資産を時価評価しなおし、
純資産から負債を引いたものです。こちらは【1】のコストアプローチの考え方です。
次に、事業譲渡の際に使用した「営業権(事業価値)」も算出においては、
税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益から算出する
EBITDAの数年分として産出される場合が多く、これはその事業の収益性が
基準になっていますので、【2】のインカムアプローチの考え方です。
最後に、営業権の計算におけるEBITDAの「数年分」の部分ですが、
ここが何年分になるかが業種や会社の特性によって変わってくるので、
これは【3】のマーケットアプローチの考え方になります。
例えば、流行り廃りの激しい飲食店業界ですと、良くてもEBITDAの2年分程度しか
営業権はつきませんが、今後も一定の利益がほぼ確実に見込める業種や成長産業であれば
EBITDAの5~6年分以上つくということもございます。
しかしながら、昨今の調剤薬局業界においては2年に一度の診療報酬改定による
収益性の悪化などが影響し、ひと昔前は営業権算出の際にEBITDAの7~10年分など
出ておりましたが、現状は先ほども述べたように3年分が一つの目安になっており、
今後より一層下がってくることが予想されおり、
すでに3年分は出せないという買い手様も少なくありません。
次回は、上記の【 企業価値の評価方法に基づいて、具体的な数字を用いて 】
お伝えさせていただきます。
それでは、今後ともよろしくお願い申し上げます。