「株式譲渡M&A」と「会社清算」との違い
縁起でもない話ですが、薬局を畳もうか…とお考えになった場合、
『M&A』という横文字の言葉になんとなく忌避感を覚え、
会社を清算しよう、という方がおられます。
薬局を畳むという帰結は同じですが、
株式譲渡によるM&Aと会社清算では違いがございます。
どちらを選べばよいのかという問いに対し、
結論を申し上げますと、株式譲渡M&Aをぜひ選択してください。
理由としましては、下記のような違いからです。
①企業評価の面
・株式譲渡M&Aの場合
→純資産価額に「のれん代(営業権)」を上乗せした上で
譲渡先との交渉が行われることが一般的です。
のれん代は実質営業利益の3年分程度がおおよその目安となります。
・会社清算の場合
→株式譲渡と比べ、著しく低い評価となることが多い。
各資産を処分価額で評価する必要があること、
また会社都合で退職してもらうので割増退職金の支払いや、清算のための費用が発生。
場合によっては、債務超過となり、オーナー様の自己負担が
発生する可能性もございます。
②税金面
・株式譲渡M&Aの場合
→株式譲渡の金額に対し、所得税、住民税等をあわせ約20%の負担で済む。
・会社清算の場合
→生産配当を行える場合であっても、出資の払戻額を
超える額は配当所得として所得税と住民税をあわせ
最高50%の課税が発生する。
つまり、株式譲渡M&Aであれば
①評価額を高く見込め
②税負担も小さい
=手取り額が高い
というメリットがあります。
またM&Aの場合は、社長の借入金に対する
個人の債務保証や担保提供は外すのが通常です。
(株式譲渡をお考えの方で一番喜ばれるポイントかもしれません。)
雇用が継続されることや、取引先、患者様のことも守ることが
できるというメリットもあるのが、株式譲渡M&Aです。
逆に、清算を選択された場合は、債務保証や担保提供は
継続され、最悪の場合借金を背負う…ということにもなりかねないのです。
以上、今回は株式譲渡と会社清算の違いについて
簡単に説明させていただきました。
少しでも、M&Aという選択肢をご検討されるので
あれば、是非一度営業権・企業価値の算出だけでも
ご相談いただけましたら幸いです。
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