薬局事業承継を行うにあたって SUCCESSION PHARMACY BUSINESS

薬局の事業承継の適したタイミング

事業承継のタイミングは現経営者にとっては「引退のタイミング」ですが、後継者にとっては「新たな挑戦を開始するタイミング」です。双方にとって最適なタイミングで事業を承継させるという視点で考えてみましょう。

調剤薬局の経営者の全国平均年齢は、概ね60歳程度であると言われます。
またアンケートによると、65~70歳くらいには承継したいと考えている調剤薬局経営者が多いと判明しています。特に「誰を後継者とする」などの志向が決まっていない場合は、後継者探しから始めなければならず、時間を要します。

東京商工会議所「事業承継の実態に関するアンケート調査」(2018年1月)によりますと、30代~40代で事業を継承した経営者は、他の年齢層で事業を承継した経営者に比べ「ちょうど良い時期に事業を承継した」と考えている割合が多いことがわかっております。そして、事業を承継した年齢が遅くなるにつれて「もっと早い時期に事業を承継したかった」と考えている割合が多くなっております。

もちろん若ければ良いという単純な話ではなく、リーダーシップを発揮するためには失敗を含めた実績も重要です。ビジネスパーソンとして経験値とエネルギーがバランスよく整う年齢層として40代で事業を承継した経営者が「ちょうど良い時期に事業を承継した」と考えているのには納得感がございます。

事業承継時の現経営者年齢別の事業承継のタイミング

現経営者の事業承継の平均年齢

もっと遅い方が良かった ちょうどよい時期だった もっと早い方が良かった
37.4歳
(n=78)
43.0歳
(n=501)
48.8歳
(n=167)

中小企業庁「事業承継ガイドライン」(R4.3より引用)

薬局の事業承継の方法

親族内承継

親族内承継とは「親族」という言葉通り、現在の経営者の子ども、身内といった親族に事業をバトンタッチすることを指します。
アンケートによりますと、薬局の事業承継先の『最適だと思われる後継者』を、親族と答えられた方が約40%にのぼります。これは、いくつかある選択肢の中で最も多い回答でした。

メリット

  • 現在の経営者に近しいものが引き継ぐことになりますので、社内外の関係者から、後継者として理解を得やすい
  • 経営者、代表取締役社長という地位とともに、自社の株式を引き継がせることもできますので、所有と経営が分離しにくい

デメリット

  • 親族内に、後継者となる意思、その資質を有する人物がいない場合がある
  • 後継者一人に経営を集中させるにあたり、親族間の対立を招きやすい
  • 経営者としての素質や意欲が欠けている場合、経験が浅いことがあるため運営体制や組織体制に不安が生じる

親族内承継においてのユニヴのサポート

親族内でスムーズに承継を行うための助言やコンサルティングをさせていただきます。
後継者の選定・育成におけるコンサルティングや次世代の経営体制・組織体制の確立に向けたアドバイス、弊社顧問税理士による相続税対策相談や企業価値算定など、「相続」が「争族」にならないように第三者として間に入り、多彩なラインナップで貴社の親族内承継をお手伝いさせていただきます。

従業員承継

従業員承継とは文字通り、従業員に事業を承継することを言います。一般的には、会社の役員に承継する場合も含めて言うことが多く、「会社内承継」ということもあります。
従業員承継は、承継先としては約18%の方がお考えのようです。様々な辛苦をともに乗り越えてきた同志であり、現従業員との関係性も見えるからこそ、安心して任せられるというお考えに至るのももっともでしょう。ただし従業員や役員が後継者となる場合、社長という「地位」を受け継ぐことで「経営」を受け継ぎますが、株式を取得しなければ、会社に対する所有を取得することはできません。多くの場合、後継者になるにあたっては、株式を現在の経営者から買い取ることになりますが、そのための資金が問題となります。また、中小企業の社長の多くは、金融機関から借入をしていますが、その借入について、金融機関から新社長が「連帯保証人」になることが求められます。

メリット

  • 子供等の親族に適任者がいない場合であっても、従業員や役員の中から最も資質のあるものを選ぶことができ、後継者の選択肢が広がる
  • 会社のことを良く知ったものがバトンを受け取ることになるので、他の従業員や取引先の理解を得やすい
  • 会社の事業内容について十分把握しており、後継者教育の時間が短縮できる

デメリット

  • 株式を保有できる資金力があるとは限らない
  • 会社の借入金について、個人補償(連帯保証)をしなければならない

親族内承継においてのユニヴのサポート

従業員へスムーズに承継を行うためのサポートやフォローなどをさせていただきます。
従業員に引き継ぐ場合は、株価の算定方法が重要となります。
株価の算定を含め、最良の事業承継計画の立案や事業承継の実行、事業承継に必要なサポートをさせていただきます。

第三者への承継

親族や社内にも事業のバトンを受け継いでくれる者がいない場合には、社外に承継先を探すことになります。ここで用いられる方法が「M&A」になります。
意外かもしれませんが、従業員への薬局事業承継よりも、第三者への承継を選択される方が割合としては高くなり、約25%の方が選択されます。
税金等の金銭面もあり第三者への譲渡しかないという現実的な課題もあり、この選択が多い傾向にあります。
M&Aにつきましては「薬局M&Aとは」をご確認くださいませ。

メリット

  • 事業継続と拡大が期待できる。
    自社にはない人材、ノウハウや資本を持っている企業への承継により既存店の維持はもとより、新規事業への参入なども可能になる
  • 創業者利益の確保が可能、安心して第二の人生を始める資金を得られることとなり、会社を発展させてきた創業者にとってプラスとなる
  • 廃業コストがかからない、廃業となると解雇に伴う補償などの費用が発生するが、避けることができる

デメリット

  • 想定していたよりも売却価格がつかないことがある。
    現在だけでなく将来の利益も見越したうえでの価格決定がなされるため、診療報酬の改定を重ねるごとに売却価格は減少する傾向にある
    場合によっては買い手が現れないことも…
  • 交渉に時間がかかる場合がある、条件や時期など、綿密な調整が必要になる。

第三者への承継においてのユニヴのサポート

ユニヴの経験豊富なM&Aアドバイザーがお伺いし、今まで手塩にかけて経営した薬局をどのような方に譲渡されたいか、残された従業員様の引継ぎや取引先との関係はもちろんのこと、オーナー様の「想い」をしっかりと担当アドバイザーが次の薬局様へ繋いでいきます。
また、ユニヴでは独立支援として、将来の独立を見据えた方に独立を“応援する”薬局情報を提供しています。独立を前提として就業していただくというスキームも可能なため、今後何十年と会社を発展させてくれる人材を、働きぶりや意欲、知識、適応性などを知った上での継承が可能です。独立意識が高く、調剤経験の豊富な薬剤師様をユニヴが厳選してご紹介させていただきます。
通常の人材紹介とは違い、1度きりの面接では後継者にふさわしいか判断しかねるかと思いますので、複数回の顔合わせや実際に働いていただきご判断いただくなど、多種多様な方法で貴社にふさわしい後継者候補の薬剤師様をマッチングいたします。

M&Aについて詳しくはこちら

相談先の種類

薬局事業承継にあたってのお悩みとして「周りに相談できる人がいない。」「相談しようとしても誰に相談したらよいのか。」という声をよくお聞きします。現在主流となっている支援機関を大きく4つにわけてご紹介いたします。

国の支援機関

よろず支援拠点
再生支援協議会
経営改善支援センター
事業引継ぎ支援センター
など

地域の支援機関

地域金融機関
商工会・商工会議所
地方公共団体
顧問士業
など

専門家

弁護士
公認会計士
税理士
中小企業診断士
など

民間のM&A仲介会社

大手M&A仲介会社
業界特化型M&A仲介会社
など

事業承継は「いつ」「誰に」承継するのか判断するのが非常に難しい経営者としての大仕事です。しっかりと事前準備を行ったうえで信頼できる相談先を選ぶことがなによりも重要です。

相談先の選び方

相談先選びにおいては薬局業界に精通した支援機関へ当たることを何より大事にしていただきたいと考えております。
現経営者様の人生をかけて育て上げた子供のように大切な「事業」。経営者様の最後の仕事ともいえる大掛かりなプロジェクトを成功させるため、業界をよく知り親身になれる業者は何よりも心強い存在になると考えております。

ユニヴは、30年薬局業界に携わり続け、これまでに8000人の薬剤師様のキャリアをサポートしてまいりました。その中で培ってきた約1万社の薬局様とのお取引の実績がございます。地域密着型薬局、大手調剤チェーンを問わず幅広いネットワークをもつ強みを活かし、最適なパートナーとなれるよう日々励んでおります。

人材・経営など薬局業界における包括的な視点をもって、薬局事業承継専任アドバイザーがお悩みのご相談を承ります。まずは些細なことでも構いません。遠慮なくお声掛けください。