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薬局M&A

50%の経営者が感じている「M&Aへの抵抗感」

この記事を読まれている経営者の方は「M&A」「買収」「会社を売る」というワードを聞かれると、なんとも形容しがたいモヤモヤしたネガティブなイメージを抱かれているのではないでしょうか。
自分がこれまで大切にしてきたものが失われてしまうのではないか。
残った従業員に裏切り者扱いされてしまうのではないか。
しっかりと思いを持って経営されてきた方ほど、このような気持ちを強く持たれる傾向にあるように感じています。

私も今はM&Aのお手伝いをさせて頂いておりますが、それまでは買収というと海外のファンドなどの敵対的買収が一番に頭に浮かび、お世辞にもいいイメージを持っているとは言えませんでした。

しかし、さまざまな経営者様の事業承継のお手伝いをさせて頂く中で、そのようなイメージはすっかりなくなってしまいました。
事業承継において、M&Aが必ずしも正解とは限りませんが中立な目線で判断していただけるようにお手伝いさせて頂ければ幸いです。

【廃業のメリットとは】

この記事を読んでいらっしゃる経営者の方は少なからず、事業承継にご関心がおありだと思います。
事業承継における優先順位はおそらく

  • 1.親族承継
  • 2.役員・従業員承継
  • 3.第三者へのM&Aもしくは廃業

ではないでしょうか。
さて、少子化による後継者不足、人口減による経営環境の悪化、仕事の多様化による職業選択の自由度向上という時代の中で、1番、2番を選択できる企業は減少していますので、自ずと3番を選ばざるを得ない経営者様が増えています。
しかし、冒頭で述べさせて頂いたようなM&Aへの抵抗感から、M&Aではなく廃業、もしくは無理をして継続するという選択をしたときのメリットは何があるでしょうか。

結論から申し上げると、ほぼありません。

まず経営者様から見るとM&Aをすれば得ることができた売却益が入ってきません。それどころか、賃貸をスケルトンに戻す費用や、設備機器の廃棄にかかる費用が発生してしまいます。

お金がそれほど必要ないという経営者様もいらっしゃると思いますが、問題はそれだけではありません。
これまで一緒にやってきたドクターも門前の薬局がなくなってしまうことで院内に戻したり、別の薬局を案内したりする必要があり、迷惑をかけてしまうケースがほとんどではないでしょうか。
従業員に関しても、若くて先のある薬剤師であれば他の就職先もすぐに見つかるでしょう。しかし、ご年配の薬剤師や近所から通っていたパート薬剤師、事務員に関しては再就職に苦戦する可能性が高くなります。運よく再就職できても、就業条件がこれまでと同等ということは難しいのではないでしょうか。
まだ子育てをしているような世代であれば、人生設計に大きな打撃を与えてしまうかもしれません。

こんなことになってしまうと本当に最悪で、従業員のためを思ってやってきたはずが、強い恨みを買ってしまった...という結果になりかねません。

さらに、廃業と聞くとジワジワと経営が悪化していって最終的に廃業...というイメージを持たれる方が多いですが、そのタイミングはある日突然訪れることもあります。
ニュースを見ていると心筋梗塞、脳梗塞といった突発的な疾患や、交通事故といった不慮の事故による経営者の損失は、中小企業において壊滅的なダメージになります。
そこから焦ってM&Aを進めようと思っても、企業価値は叩かれてしまい思うような譲渡はできないことがほとんどです。
そのような事態に陥らないために元気なうちに、企業に体力があるうちに、最終的にするかしないかは別としてM&Aを視野に入れておかないといけないのです。

プロフィール

菊池 一洋

菊池 一洋

株式会社ユニヴ 大阪本社
経営支援事業部 M&Aアドバイザー

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